どうなの⁉夫婦でベトナム移住って

異国で住む・働く・遊ぶ・育てる。家族でつづる旅と日常の間。実験的日本脱出記&雑記

連続ブログ小説「健康で文化的な最低限度の通勤」第7話~自分から言い寄っておいて、朝だけだから2倍価格?てゆうか往復にする義務ある?~

電車のないベトナムでは、安全にかつ安定的に通勤できる手段を得るのに苦労します。本シリーズでは、わたし(よめ)が2年を通して、ベストな通勤手段を得るために奮闘した記録をお届けします。ベトナムの交通事情はもちろん、ベトナム人との交渉ノウハウ、彼らの損得勘定や価値観までが見えてくるかもしれません。在住者目線でよりディープなベトナムを体感ください!

連続ブログ小説「健康で文化的な最低限度の通勤」第6話~ハノイが渋滞することは前から分かってたでしょうが!!~ 

 

前回の「渋滞クタクタおじさん」を教訓とすべく、渋滞のひどい夕方は依頼せず朝のみのおかかえ運転手を探して毎日配車アプリと戦っていた。

そんなある朝、アプリでマッチングされたドライバーが私が日本人だと気づいて「ニホンジンデスカ?」と話しかけてきた。話を聞くと、彼の義理の兄は日本人で、現在ご夫婦は宮城県で暮らしているという。
さらに彼も日系のハイヤーの運転手をしていたこともあり、大の日本好き。ホンダ・トヨタをはじめとする日本製品の素晴らしさや、日本人の勤勉さや時間の正確さを褒めたたえ、私に交渉を持ちかけた。
「毎朝、この時間ならアプリ使わなくても10万ドンで行ってあげる。オレは時間通り迎えに来るので、これでも安いでしょう?」
※(アプリなら9万ドン、タクシーなら13万ドン。過去のお抱え運転手君(第2話)は12万ドンだった)

おお!もしこのドライバーが、気分屋な他のドライバーと違って真面目な人なら願ってもない話だ。アプリの面倒さから解放されて、毎日同じ人が待っててくれるならむしろ安い!と思い承諾した。
ただ、彼も「帰りは何時だ?」と言ってきたが、前回(第6話)の反省から帰宅時刻の不安定&渋滞がいかにドライバーにとってストレスかを自覚してきたので、帰りは来なくていいと断った。これならフラれないでしょう。。

それからまず一週間、毎日約束通りの10万ドンで朝きてもらった。私が「6:40くらいでいいよ」といっても必ず6:30に到着し、むしろ私に「はよ来い、急げ」と急かす勢い。ただ強気に出るだけあって、社内は臭くなく車のクッション性も日本に近い。窓は閉めてくれるし大音量の音楽もかけない。安全運転とはいえないが、ベトナムではマシな方。さらに私のベトナム語をよく推測してくれ、色んなおしゃべりができる。ちょっとしたネイティブ講師だ。

そして2週間目。

はい、来た。

 

「これから一回、20万ドンにしてくれ」

 

はいー!?

いきなり200%はないでしょう!

ただ、その理由は、私との会話にヒントがあった。
家の前は小道なので待ち伏せタクシーもいないし、早朝のためアプリで呼んでもなかなかドライバーを見つけにくい。その状況判断だけではなく、私の給料から家賃から色々と質問してくる。(低い現地給料をさらに安く伝えてもベトナム人の相場よりは高くなってしまう)完全に足元みられてる。ちょっと仲良くなりかけてたのに、ずるい。

でも私も負けない。だって法外に値引きしているわけではないし、彼の手取り分は今までのドライバーの中でも高いはず。というか彼は私が持てない車が買えているのだよ。ハノイ生まれで家も車もあり、帰国すべき物価の高い故郷もない。むしろ私よりちょっと余裕あるんじゃないか?そう感じてしまい、抑えられない感情から一言、、、

 

「じゃあ、もういい。さようなら。ありがとうございました」

 

と私。私はもうこの手の交渉や騙し騙されに疲れたのだ。これからバイクか自転車で死に物狂いで通勤しよう。その方が心が折れることはない。と自分に誓おうとした瞬間、

 

彼「え?あ、じゃあ15万ドンでもいいから、ちょっと高くして」

 

あら、急に値上げ分が50%OFF!(笑)
でも負けるな、また引き上げてくる。

 

私「いいえ、今日で終わり。さようなら。私バイクに乗る。それなら無料だし。」

彼「え、じゃあ13万、いや12万ドンは?」

私「いや、もういい、ここで降ろして。」

 

もうこうなったら意地。自分の中の何かがキレたのだ。もちろんベトナム人でも真面目で優秀な人はたくさん知っているが、お金を欲しがる割にきっちり仕事しない人も多い、その分バカ正直に日本人が頑張ってその残業はベトナム人のように手当を請求できない。不便さや異国でのトラブルを避け、時々ストレス解消目的やスタッフへの労いでご馳走する場面は日本より多い。その鬱憤をここで関係ない彼にぶつけてしまった。すると、

 

彼「かしこいな、負けたわ(笑)10万でいいわ」と大爆笑。

 

ええんかーい!!ごめんねおじさん。本音を言いすぎて。でも日本人みんなが大企業の社長じゃないって知ってほしかったの。

とりあえず甘えてそのまま1か月が経った。その後も彼はたくましく、私を降ろした地点で続きにもう一人の日本人の固定客を見つけたという。朝の2時間で日本人のバイト代以上を稼いでいる。というのも、私の後の客は私の2倍の値段で乗っているそうだ・・・なんかすみません、もう一人のお客さん。私の値切りのしわ寄せがきている気がします(汗)

 

第8話へ続く

 

(よめ)

 

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なぜかドライバーはよく車内にパイナップルを丸ごと置いている。最初は豊作を願うお供えか何かかと思っていたが、匂い消しの可能性も?

まだまだ謎が多いベトナム。 

 

 

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