どうなの⁉夫婦でベトナム移住って

異国で住む・働く・遊ぶ・育てる。家族でつづる旅と日常の間。実験的日本脱出記&雑記

『満州国演義(三) 群狼の舞 』船戸与一 どうなの⁉夫婦で満州移住って

群狼の舞: 満州国演義三 (新潮文庫)

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 満州の興亡を描いた歴史大作。

 

外交官としてバランスの取れた国際感覚を備えた参事官の長兄、馬賊の頭領から用心棒へとさすらいながら食いつなぐ次男、すべては皇国のためという一本気な憲兵の三男、大学をドロップアウトして翻弄されながら生きる四男。

 

それぞれ全く異なる四兄弟の視点を通し、どのような過程、背景から満州が生まれ、人々が関わったのかを立体的に浮かび上がらせていきます。

 

作者は、エンタメ性の高い冒険小説を得意としていますが、今作では史実に軸足を置いき、当時の空気感をいかに再現するかに注力。その分、リーダビリティは落ちますが、読みごたえは十分。ちびちびと味わいながら読むことができます。

 

各国の思惑や国内、国外の謀略の傍らにそれぞれの登場人物を配置することで、複雑に入り組んだ構造を一つひとつ解きほぐすかのように追いかけて読むのが本書の醍醐味。

 

ただ、海外に住む人間としては、馴染みの和食料理屋で一献傾ける何気ないシーンに、ベトナムの日本人街で酒を酌み交わす現代サラリーマンの姿に似たものを感じ、引き込まれてしまいます。

 

春は黄砂が舞い、冬は死ぬほど寒い満州という新天地に使命感やら、希望やら、さまざまな思いを持って出て行った当時の人々に思いを馳せ、そこに自分をだぶらせると、いっそう感情移入してしまうのです。

 

次回、二二六事件突入 

 

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