どうなの⁉夫婦でベトナム移住って

異国で住む・働く・遊ぶ・育てる。家族でつづる旅と日常の間。実験的日本脱出記&雑記

死者ゼロ!ベトナムコロナ対策の快挙・愛のある強行措置!②一党独裁制の利点&軍隊の温かな心

よめです。続編です。

今でこそ「日本の方が危ない」という意識の方々が増えたように思いますが、ベトナムにいるよと言うと、「感染対策とか日本よりいい加減なんじゃない?大丈夫?」と聞かれる事が非常に多かったのです。

しかし、我々は日本の家族の様子を聞き、自分達の身の安全のために日本へ帰ろうとは考えていませんでした。日本がここまで全国的に感染爆発する前から。

なぜなら、「一党独裁制ならではの政治的決断の早さと、遂行能力や末端までの指示徹底」に度肝を抜かれたからです。早い話、この非常時においては、感染を抑え込むという一番正しい方向へ爆速で進んでいるのです。

国が強い力を持つことの是非はおいといて、今回は日本とちがって強権を発動できる国の方針や施策についてお伝えします。

 一党独裁制の驚くまでの遂行能力

先日ニュースでやはりプーチン氏も「やり過ぎに見えるかもしれないが、用心するに越したことはない」との力強い姿勢を見せました。

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「臨戦態勢は取れている」

政治の在り方についてはさまざまな考え方があるかと思いますが、今回のコロナ騒動においてはベトナムの社会主義に頼もしさを感じると同時に、アメリカや日本のような民主主義・個人の自由や経済を尊重しすぎるあまり弱者や医療従事者への配慮不足を生んだ状況にかなりの憤りを感じておりました。

そうなんです、ベトナムは一人一人が衛生管理がすばらしいのではなく、国がしっかりとしているのです。また厳しい刑罰や政府批判も監視されるため全員が国に従います。

ただし自主隔離(自宅やホテルで過ごす)ではなく、「軍の収容施設で隔離」という手法がとられているため、実際はどんな様子なのかと気になっている在住者も多いのです。

隔離のタイプ・行き先

 ベトナムでもし感染した場合は、日本と違ってすぐ入院させられますし、第一濃厚接触者は速やかに隔離措置がとられます。その内容も段階があり、また初期と後半と、地域によっては違いもあります。

  1. 空港から軍の隔離施設へ直行:新規入国者
    当初は疑わしい人だけでしたが現在は全員です。現状は国際線は基本的に受け入れしていない状況なので、今からはベトナム人の帰国しかないでしょう。

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    軍の寄宿舎
  2. 村・建物単位で封鎖隔離:感染者との濃厚接触者、病院職員
    一戸建ての家から感染者が出て、近所と頻回に接触があった場合、道ごと集落ごと封鎖されてしまいます。(上の写真)
    一般のレジデンス・マンションも感染経路が特定できない場合はビルごと隔離対象になり、富裕層の方々が大きな影響を受けています。
    ハノイの例では、もうすぐ完全にあぶり出しが完了しそうな、バックマイ病院市中感染問題及び第二熱帯病院の医療スタッフ全員。なんと終息まで帰宅許可が出ません。

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    地域単位の隔離があった場合は、毎日検温され外への買い物も許されません
  3. 自宅隔離:第二・第三濃厚接触者
    家のまえに看板を置かれ、毎日地域の人民委員会の職員が監視します。(前回のシリーズ①の写真です)
  4. ホテル:旅行者や外国人
    本来は収容施設へ送りたいのでしょう。しかし第一濃厚接触者であったり、外国人である場合はある程度は小規模で生活レベルの落ちない場所を考慮してくれるようです。(4人部屋ということもありますが、この配慮は頭が下がります)

これだけ聞くと何と強引なやり方だ、もし自分が隔離されたらどうしようと考える日本人も多い事でしょう。しかし、これはそれほどまでに安全を確保しようという動きなので、外国人も感謝してこの活動に支障をきたさないように見守るべきでしょう。

軍の手厚い支援

タコ部屋に収容される・質素なベトナム料理しかない・プライバシーがない。

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食事とトイレットペーパーを一緒に配給される・・・

収容施設の風景をみたが外国人からはそんな声も聞こえてきそうです。ローカルの病院や大学の寮、実習生の教育施設を知っている人からすれば「ああ、ローカルな感じの宿舎と食事だな」と考えるでしょう。これはベトナム語が話せない人やベトナム料理が口に合わない人からすると、たしかに不便で不安な生活であることは間違いありません。

もちろん、普段の生活レベルには差があるものの、贅沢をしてきた人にするとこの隔離は恐怖であり早く日本へ帰りたいと帰国を急いだ方もいます。小さい赤ちゃんがいたりすると不安はさらに強まります。

しかしどうでしょう。よく考えてみると、これはすべて国費で行われているのです。
宿泊料はもちろん無料、2週間の食費、光熱費、インターネット。そして完全に検査されます。またベトナム人においては治療費が完全無料なのです!

日本はここまでの対応を早期からしてくれていたでしょうか?いまでこそやっとホテルが支援に乗り出していますが、おそらくそれでも不満を言う日本人は多いのではないでしょうか。

今一度、これは災害・有事と同じで、全世界中が我慢を試されている時と認識すべきではないでしょうか。ここはベトナム人と一緒に隔離を受け、現地の対応に適応できる覚悟をしなければなりません。

そんな騒ぎで心温まる風景をご紹介。

隔離といっても罰ではないので融通はきく

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「赤ちゃんのお粥を買ってきてくれない?」

写真のある女性は、子供用にお粥を手配してもらえないか、丁寧なベトナム語で依頼しています。隔離中にすべて配給を受けていましたが、それは大人用の食事であったためです。外で見張りをしている公安の人らしきお兄ちゃんにメッセージを見せると、

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「ラジャー!」

快く引き受けてくれます。そしてしばらくすると、

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へい!お待ち!

様々な物資を調達して運んでくれます。こんな臨時の業務でも、中の人の不便さに同情して色々と動いてくれるのです。また、

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女性の日に花の贈呈

 3月8日は「国際女性デー」。この時にベトナム全土での隔離者は2万人に上ったと言われています。その全てではないですが、隔離中の女性にも一輪の花を配ってくれたというのです。粋な計らいですよね。

そう、これは刑罰でもなく、国民みんなと、感染の可能性のあるすべての人を安全に速やかに治療するために準備された大きな大きな愛情でもあるのです。国の指示はもちろん感染拡大防止をスムーズに行う上での対応でしかないのですが、その最前線では近所の住民が、家族や親せきが、とにかく隔離がスムーズに済むようにと動いているのです。

元々から昔の昭和の良き日本のように、人と人の距離が近く相互支援の根付いたベトナム。もうすぐ勝利の日が来るのではないでしょうか。

 

よめ

 

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