ベトナムではやっと封じ込めた!と思っていた新型コロナウィルス。
ところが100日市中感染ゼロ記念と共にダナンで原因不明の第二波が訪れました。変異型ウイルスで感染者を増やし続け、中部のみならずハノイ・ホーチミンまで拡大を続けています。そして昨日、今日と続けて3名の高齢者が亡くなられ、ベトナムでは悲しみと共に緊張が走っています。
そんな暗く混沌としていくコロナ禍で、少し希望が持てるエピソードを共有したいと思います。
- 英国人パイロット患者の存在が知れ渡る
- 数少ない重症患者として注目が高まる
- 肺移植の方針でドナーへ呼びかけ
- 奇跡!回復の兆しが見られる
- 自らも操縦した経験のある機体に乗って・・・
- 重みのあるのメッセージ
英国人パイロット患者の存在が知れ渡る
3月18日に入院し、91人目の患者として報道に取り上げられました。その当時は医師の感染者の方が周囲もピリつき、彼にそこまでの注目はされていなかったように思います。
<3月23日報道>
新型コロナ、ベトナム国内の感染者118人に [社会] - VIETJOベトナムニュース
数少ない重症患者として注目が高まる
日本人の間ではそれまで話題になかたっと思いますが、ベトナムのニュースでは初期に人工肺(ECMO)治療を受けた一人として話題なっていたようです。この治療がうまくいくかによって、ベトナムで感染した際のリスクを判断できたといっても過言ではありません。
<5月8日報道>
たった一人、異国での治療。年齢も若いだけに多くの人が気の毒に思い見守っていたことでしょう。しかもこれ以上の積極的な治療が肺移植しかないというのも、なんともベトナムでは難しいケースだと思われます。
<5月12日報道>
新型コロナ、新たに8人回復で治療中は残り39人 英国人パイロットは依然重症 [社会] - VIETJOベトナムニュース
肺移植の方針でドナーへ呼びかけ
<5月13日報道>
新型コロナ、新たに3人退院 重症患者の肺移植も検討進む [社会] - VIETJOベトナムニュース
医師団の決定がなされ、ドナーが集まれば手術可能な状態に全てが整備されていました。あとはドナーの決定と手続きのみ。
そんな段階までくると、これぞ助け合いの美しいベトナム。なんと多くのドナー希望者が現れたのです。 なかなか一時的な感情や同情だけでは決断できることではないでしょう。
<5月14日報道>
ちなみにチョーライ病院といえば、ベトナム語の教科書に出てくるほどの名門で、私は受診したことはありませんが存在は知っていました。
奇跡!回復の兆しが見られる
そして希望者はいるも、とりあえず脳死判定者を待とう、という時に奇跡が起こります。
ついに彼はその目を覚ます時が来たのです。本当に国民みんなが彼を応援していたでしょう。
<5月28日報道>
そしてその後は順調に回復し、見事にECMO離脱した上に、自発呼吸ができるようになるのです!
<6月4日報道>
新型コロナ、ベトナムの治療中患者は残り26人 重症化の英国人はECMO治療終了 [社会] - VIETJOベトナムニュース
そしてベッドでは座位になることも可能と。(寝た状態に比べてかなり負担がかかるのだと思います)
ただし依然として人工呼吸器はつけており肺はダメージが大きいため、まだドナーは待つ方向だとのことです。
<6月9日報道>
新型コロナ、重症化の英国人パイロットは上体が起こせるまで回復 [社会] - VIETJOベトナムニュース
そしてついに肺移植の心配はなくなり、日光浴ができるまでに。
元々体力のあった方だからかもしれませんね。
<6月12日報道>
新型コロナ感染者数332人、陽性は残り6人 重症患者も驚異的な回復 [社会] - VIETJOベトナムニュース
自らも操縦した経験のある機体に乗って・・・
そしてついに、転院の時がやってきます。そう、それはご自身の仕事でもある空高く海を越える大変な移動です。
大勢のエキスパートに支えられ、帰国の途についた時はどんなに嬉しかったでしょう。
<7月13日報道>
この奇跡は本当に多くの患者さんや、感染に怯えていた人々の心の支えになったかわかりません。
また、彼と母国のご家族だけではなく、ベトナムからイギリスへ入国するベトナム人へも恩恵があります。両国の関係がよくなる架け橋となったようなものですね。
世界的にもベトナムの隔離措置だけではなく、治療実績までもがアピールされたのではないでしょうか。
英国、ベトナム国民の入国時隔離を免除 コロナ対策を高評価 [社会] - VIETJOベトナムニュース
重みのあるのメッセージ
ここまでの重症で、さらに空を移動を体験した方だからこそ言えることですね。もちろん誰もが彼ほど重症化するかというと、希なケースではあると思います。
しかし、私も同じく外国人が感染した場合に、どこまで治療や移動を負担してもらえるのか、ということをしっかりと考える有難い機会となりました。
少しでも、世界中のコロナ禍が早く終息することを願うばかりです。
よめ
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