よめです。続編です。
日本もついに緊急事態宣言が発令され、様々なビジネス・教育・社会サービスに混乱が生じています。今まで海外の情報を先取りしていなかった人にとってはあまりにショックで不便なことで戸惑いも多い事でしょう。
感染の恐れはもちろん、我々おっと&よめも共働きでVISAが無事更新できるのかという海外ならではの心配など不安だらけでしたが、何とかここハノイで安全に生活を続けられています。
今回は、日本より一足先に事実上のロックダウンを行ったベトナムの様子をお伝えし、これから本格的な自粛生活が始まる日本でどんな準備すればいいのかなど、自粛生活の参考にしていただけるような内容をお伝えできればと思います。
「社会隔離」で禁じられる・要請されること・自粛されていること
- 学校閉鎖
これは旧正月明けの2月から始まっており、かれこれ2か月経過しています。保育園・幼稚園・小学校・中学校・高校・大学・専門学校・職業訓練校とあらゆる施設が集会禁止となりました。企業の規制より素早い措置がとられました。これにより、子供を田舎へコロナ疎開させる過程が多く親は通常通り都会で通勤を続けていました。現在は在宅で子守りをしながら働いている家庭が多く祖父母との同居率が日本よりも高い事で不満の声は少ないように思います。 - バス・タクシーの利用・配車サービス・旅客車の利用不可
これは非常に大きな措置で、電車がないベトナムではタクシーがないと出勤ができない外国人が増え、バスを利用する学生も高齢者も移動に制限がかかります。
またベトナム人が田舎へ帰る手段としてよく使う乗り合いミニバス(旅客車両)も止められ、自家用車ですら検問があります。
grabカー・バイクも止められていますので、病院や買い物で自分が乗って移動することもできません。しかし買い物代行やデリバリーサービスは今も利用できます。 - 飲食店の休業
これは外国人や特に単身者にとっては影響が大きいです。デリバリーは継続して運営しているお店も多いですが、来店の客足が落ちたことで継続して運営できない店も出てきています。これは外国人オーナーであれベトナムローカル店であれ変わりはありません。テイクアウトはOK、または電話やアプリ対応のみOKなど、様々な対応がとられていますが、チェーン店規模で閉店しているケースもあるそうです。 - 公共の場での集会禁止
イベント・コンサート・祭りなどは当然、セミナーや講演会も軒並み中止です。 - 病院・通訳サービスの受入縮小
小児科・産婦人科で急を要さない、また感染のリスクが高い患者に向けた受診を抑える傾向があります。また某医療通訳とアテンドサービスは来院しての対応ではなく電話対応に切り替えられています。タクシーもないため通院がかなり不便です。 - 生活必需品の生産工場以外の自粛
これは禁止命令ではないのですが、「コロナ感染者が出る場合は経営側の責任」と示されているようで、多くの企業が強引にでもリモート対応に舵を切っています。なんと役所でさえも、少数出社や在宅対応をし、電子処理も進めているのです。日本よりも民間が従わざるを得ない環境になっていのは見事です。またホーチミンでは下記のような明確な基準で休業すべきか判断されるとのこと。日本の曖昧な指針で大混乱しているニュースを見ると、ベトナムの対応や判断が早い事に驚きます。
罰金一覧と違反事例
- 公共の場でマスクを着用しない:最大1500円
- 使用済みマスクをポイ捨て:最大3万5000円
- 自分又は他人の感染を隠す:最大1万円
- 飲食サービスの休止措置を遵守しない:個人・最大5万円、団体・最大10万円
- 集会制限又は商業サービスの休止措置を遵守しない:個人・最大5万円、団体・最大10万円
- 感染地域を出入りする前に行う医療検査・観察措置を遵守しなかった者:最大2千万ドンの罰金
- 隔離施設からの脱走・拒否:最大5万円
- インターネット上にデマ情報を投稿:最大7万5000円
- (7)が他人に感染させた場合、(8)の場合、刑法の適用もあり得る。
うっかりマスクを忘れて出かけてた程度では、そこまでのお咎めではありません。(ベトナムの感染者数は低いので身の危険もそこまで深刻ではないと言えます)しかし、お恐ろしいのは、隔離拒否や虚偽申告による刑罰です。
過去に、入国時に韓国滞在歴を偽って入国した人、英国帰りで隔離期間を待たずに家を出た人、欧州危険区域の滞在歴を偽って入国した人(17番目の感染者)、感染後の行動を偽った人(178番目の感染者)という、感染治癒後まで追いかけて刑罰を下すというのです。
この上記に当てはまる人が日本には何人いることでしょう。
在住者の間では、ベトナムは賄賂が横行していて様々な問題がもみ消されたり、警察につかまってもお金で可決できるという噂はよく言われています。普段のビジネスや社会生活ではまだまだそのような事が言われていることでしょう。しかし今回のコロナ渦では政府は全く容赦していないようです。政府を甘く見ていると大変なことになりますね。
まだ海外にいる在留邦人の方々へ
今日本では、海外からの入国者に対して敵対的な目で見る人がかなり増えています。しかし我々在住者としては、様々な要因があり、帰国せざるを得ない方とそのしかるべきタイミングがあるため、一緒くたにされてしまうのはどうなのか、と思うのです。
国によっては医療体制が危ない、日本の方がまだ良い医療を受けられる。と考えて帰国する人、また食生活や移動・言語・経済面の問題で滞在が困難となる人。人それぞれ様々な基準があります。ベトナムの場合は長期在住者や身元に信用がある労働許可取得者以外は、新規VISA発給を基本的に停止しています。
- 日本の感染蔓延状態:帰省先の感染者数
- 滞在国の医療体制・隔離体制
- 自分・家族のコロナ易感染性と重症化リスク
- 日本の家族への対応:高齢者の有無・介護など
- 滞在国の再入国ができない期間:VISAの残存期間・仕事の影響
- 雇用の安定性:日本からのリモート対応が可能か
- 移動手段・食の確保またはベトナム語対応
我々の場合、上記項目の判断と現状は以下です。
- 日本は今後、完成拡大傾向でさらに危ない
- ベトナムは隔離徹底で感染終息傾向のため安全
- 我々夫婦は持病なく重症化する年齢ではないが、子供が幼児のため無防備
- 日本に後期高齢者を抱えている(介護施設入居中も含む)
- ベトナムは他国より防疫が強化されている傾向のため、長期間入国不可と判断。私もおっともできればVISAの更新を待ってから日本へ帰りたい。
- これは有難いことに夫婦ともに可能、しかし今の保育環境はリセットされる
- 基本的に問題なし。おっとは駐在員ではないためバイク運転OK。私のベトナム語は日常生活レベル(ギリギリ)そのため知人や大家を通じて自家用車の手配やお惣菜を個人的に購入することも最悪は不可能ではない。
他にも要因はあると思います。
ベトナムにいらっしゃる皆さんは、ベトナム政府の対策を信じて、特別な理由がない限り日本に帰国せずベトナムにとどまる方が安心かもしれません。しかし医療体制などに影響が想定される場合はVISAが無効になってしまう覚悟で決断することも必要ですね。
その他の国でお住まいの方は、滞在地の医療情勢や帰国の最終手段・経路などもよくよく考慮された方が良いと思います。そして、入国時は政府の指示に従い日本へ感染を持ち込まない努力を最大限にしたいものです。
日本に居住の方々、これからさらに大変な時期に差し掛かります。どうか海外からの帰国者には様々な事情があること、浮かれた旅行者ばかりではないこと、日本の豊かな生活のための貿易・研究・文化交流、また将来的に日本へ外国人を招くための架け橋となる人々がたくさんいることを、ご理解いただきたいと思います。
1日も早く、みんなで経済復興のため、旅や会食で交流できる日が戻ることを心から願っています。
よめ
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