日本のお正月が明けると、すぐベトナムの年末がやってきます。
今日はベトナムの年末の風物詩、バインチュン(バインテット)の作りをレポートしたいと思います。
よく道端でもお正月以外に売っている、葉っぱに巻かれた食べ物です。
これは日本語で「ちまき」と訳されることが多いですが、あの端午の節句に食べる甘くてなめらかな形態ではありません。
中には緑豆と豚肉が入っており、ほんのりしょっぱいため食事として成り立つものです。なので私は個人的に「中華ちまき」に近いと説明するようにしています。(それも全く違うのですが…)
作り方はシンプルなのですが、加熱の工程が家庭ではかなり大変なのが特徴です。
それでは順に作り方を見ていきましょう。
まずは中に入れる材料です。
ベトナムのおこわ(Xoi)に使われるため日本より日常的によく食べられる。
こちらも、ペーストにしてチェーに入れられたり、蒸かしておこわにかけたり、ハイズオン省の銘菓「Banh Dau Xanh」でも有名な緑豆。
次は包む材料です。
ベトナムは葉っぱで巻く料理が何種類もあります。バナナの葉っぱや蓮の葉っぱなど、料理によって使い分けられているようです。
「Lạt buộc tre」という扁平上の紐。終盤ではナイフの役割も果たすほど硬いので、何なんだろうと調べてみると、竹だったようです。
よく市場の青菜を束ねたり、花束に使われていることも多い丈夫な万能紐。
四角く切って折り込む、
手作りの現場を見て初めて、枡に入れてるんだ!と知りました。だからどこもキレイな正方形で作れるんですね。
もち米⇒緑豆⇒塩コショウで味付けした脂身たっぷりの豚肉
という順に乗せて包んでいきます。
ここで豚の脂が多い方が、加熱に全体に染みわたってコクのあるトロトロのバインチュンができます。
四角いのはハノイなど北部のスタイル、ホーチミンなど南部では円柱状に丸めていきます。南部のこの巻き方は型が無いのか、なかなか難しいようです。
ベトナムでは年末の休みに入ると一斉にみんな故郷へ帰り、こうしてバインチュンを作ります。
親族大勢で集まって、このバインチュンを10~12時間も茹で続けるそうです。
この時に、いとこ同士集まって火の番をしたり、夜通しこの火を眺めるのが一年の締めくくりであり素敵な時間だそうです。
日本のお盆で、毎年祖母と送り火を焚いていたことを思い出します。
最初は蒸すのかと思いきや、たっぷりのお湯でぐつぐつと煮るようです。
やっとできたバインチュン。鮮やかだった葉っぱの緑色は変化し、大きな笹巻寿司のような外観です。
右側は子供用に小さい物も作ってもらいました。酔っぱらいが折り詰め弁当もって歩くように、フラフラ吊るして歩く姿が可愛いのだそうです。
ベトナムでは子供に果物やお菓子など、いつでも小さなプレゼントをあげる習慣があるので、こういうミニサイズも家庭用なら作るようです。
茹で上がったら葉っぱをほどきます。剥がしたところのもち米に緑色がうつって鮮やかです。
そして縛っていた竹の紐を使って糸のように縦横斜めに切り目を入れます。包丁で切るとねちゃねちゃと断面だ崩れてしまうのですが、この方法なら本当に楽に分けられます。
待ちに待ったバインチュン、やっと食卓に並びます。この1/4をたべるとお茶碗一杯くらいの満腹感です。常温で保存できるので、お正月が終わってもまだ食べ続けるそうです。
まさに日本の鏡餅ですね。
それでも余ったものは、家でも揚げて食べられるようです。
しかし元々街中には「揚げバインチュン」というメニューがあり、露店で上げながら売っています。(その場で椅子に座って食べている人もいます)
毎年ではないですが、家の大家さんが作ったり親戚からたくさんもらうので私達にもお裾分けしてくれます。
今年は旧正月に日本へ帰れないため、存分にベトナムのお正月を堪能したいと思います。
(よめ)
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